キャピタル A 2023年度第3四半期決算

本年度の累計売上高は2019年度の84%に到達
通期ではコロナ前の業績を上回る見通し
非航空事業の累計収益は10億リンギットに迫る勢い

6四半期連続でEBITDAは黒字を達成

SEPANG, 30 November 2023 – キャピタル A バハッド(以下「キャピタル A」または「グループ」)は2023年11月30日、2023年7月1日から9月30日までの2023年第3四半期(以下「2023年第3四半期」)の未監査決算を発表しました。

航空・旅行サービス事業グループの売上高は42億リンギット、EBITDAは4億4,800万リンギットとなり、それぞれ前年同期比116%増520%増となる目覚ましい伸びを記録しました。2019年度の運航機数70%の稼働となる中、当グループは2023年第3四半期までの累計9ヶ月間で2019年度の売上高の84%を達成し、着実な経営回復の兆しを見せています。また、財務状況を改善したことにより、グループは現在までに10 億リンギットを超えるキャッシュフローを生み出しました。

エアアジア X のPN17(注意銘柄指定)からの解除は、キャピタル A にとって大きな後押しとなり、当グループの PN17 からの脱却と株主への価値還元に集中できるようになりました。今後数ヶ月のうちに、当グループは、資産売却や株式上場に関する重要な発表を行う予定であり、将来の成長に向け、 より強固な基盤を築いてまいります。

また、当グループは債権者との交渉を大きく進展させ、GEおよびエアバスともすでに債務の再編を行っており、2023年12月までにすべてのリース債務が再編される見込みです。

コロナ禍の中、グループにとって困難であった資金調達は、銀行およびクレジット市場からの強い信頼を得、今後強化されます。グループは、バンコク銀行とシティバンクから1億7900万米ドル(8億3400万リンギット)のグループ初となる地域債務調達を確保しました。また、国際クレジット市場からの2億米ドル(9億3,000万リンギット)の歳入担保債は、事業拡大のための最初の資本調達となります。その後、エアアジア・フィリピンのIPOによる資本調達、さらにエアアジア・インドネシアによる資本調達も実施する予定です。

コロナ禍で受けた打撃から立て直すため、キャピタル Aは現在、航空事業キャピタル A・アビエーション・サービス(Asia Digital Engineering, Santan, Darts, 関連会社Ground Team Red)、ロジスティクス事業(Teleport)、デジタル・ベンチャー事業(airasia Move、BigPay)、キャピタル A インターナショナルの5つの事業体を確立し、ASEAN有数のブランディングおよびライフスタイル企業として米国株式市場に上場する予定です。

2023年第3四半期の航空ハイライト : 

  • 22年の歳月を経て、航空事業グループは事業の統合、簡素化を成功させ、エアアジア・フィリピンの所有権を100%獲得し、エアアジア・インドネシアのコスト管理を強化しました。また、エアアジア・カンボジアにおいても、過半数の所有権取得を計画しています。

  • 堅調な国内外の旅行需要に牽引され、航空事業の部門収益は39億リンギット、EBITDAは3億8,500万リンギットを計上しました。 特に、2023年第3四半期に当グループは2019年第3四半期の送客数の80%、座席数の75%のレベルまで回復し、搭乗率は2019年の搭乗率より6%ポイントを上回り、旅行需要の堅調さを示しています。

  • 市場おける座席数の供給が増え、季節的に低調な四半期であったにもかかわらず、平均運賃は前四半期比5%増の216リンギットに上昇し、コロナ禍前の水準を23%上回りました。

  • 付帯サービス(アンシラリー)収入は着実に増加し、旅客1人当たりの売上げは前年同期比22%増となる50リンギットとなり、第3四半期では航空収入の18%を占める7億3,500万リンギットに達しました。付帯サービスの成長は、ビッグデータによる価格最適化、セット販売による利用率向上、旅行者の購買行動に基づくパーソナライズされた商品サービスにより推進されています。また、機内持ち込み手荷物の追加やクアラルンプール国際空港(KLIA ターミナル2)ファストレーンにて入国審査ができるファストパス特典、座席のアップグレード入札ができるゾーンアップ(ZoneUp)などの斬新なサービス導入も、付帯サービスの成長を促進しました。

  • 有効座席キロあたりの収入(RASK)は前年同期比17%減の4.35UScとなりましたが、これはタイ・エアアジアの財務統合によるものです。

  • ユニットコスト※、燃料費を除いたユニットコストは、それぞれ USc 5.04(前年度比25%減) と USc 3.07(前年度比27%減) となりました。当グループはユニットコストを抑える方向性を維持できましたが、有効座席キロ(ASK)の増加と米ドル高の影響もあり、絶対的コストは増加しました。当四半期は再稼働する航空機数は減少したため、高額な再稼働コストは削減されました。※CASK:1座席キロメートル(ASK)あたりのコスト


2023年第3四半期航空事業以外のハイライト:

航空サービス

  • 航空機整備、点検のサービスプロバイダーであるADE(Asia Digital Engineering)は売上高1億6,500万リンギット(前年同期比107%増)、EBITDAは4,280万リンギット(同117%増)と堅調な四半期の業績を達成しました。エアアジア グループおよび他の航空会社の運航便数の増加により、ADE では基本整備点検数が 58% 増加しました。

  • 航空・レストランのケータリングサービスを提供する会社、Santanの売上高は前年同期比283%増の4,200万リンギットとなりました。EBITDAは、特に国際線が回復したことにより、1,020万リンギットを計上(前年のEBITDAは損失)しました。また、レストラン部門の売上高は前四半期比21%増、販売個数は前四半期比49%増となりました。来店客の増加や店内飲食に対する需要の急増に加え、Santanと有名小売店との最新のコラボレーション商品が売上を促進しました。

ロジスティクス

  • グループのロジスティクス・ベンチャーであるTeleportの四半期売上高は前年同期比 71%増の 1 億 8,900 万リンギットでしたが、貨物専用機を導入したコストが影響し、EBITDA は 370 万リンギットの損失となりました。eコマース部門は、業界の逆風が続いているにもかかわらず、1日平均8万件の配送し、前年同期比171%の伸びを記録しています。Teleportは、eコマースの顧客により良いサービスを提供し、継続的に成長するため、受注から配達完了までのオペレーション能力の最適化を持続的に進めます。また、3機のA321Fの貨物専用機のうち最初の1機となるアワン(Awan)の導入や、USPやSFエアラインなどとの提携により、輸送量は増加しました。

ムーブ・デジタル

  • 旅行、ライフスタイル、金融のデジタルプラットフォームであるairaisa ムーブは、主に旅行(航空券およびホテル)および配車サービス部門が牽引し、四半期売上高は前年同期比68%増の1億7,100万リンギット、EBITDAは1,170万リンギットを計上しました。airaisa ムーブは、通常低迷する四半期に需要を喚起するため、航空券販売マーケティングを強化した結果、当期の営業費用が増加しました。

  • BigPayの四半期収益は前年同期比30%増の1,110万リンギットに達し、EBITDA損失は前年同期比33%減の2,200万リンギットに縮小しました。収益の伸びはすべての主要製品分野で見られ、決済は前年同期比21%増、送金は同40%増、マーケットプレイスの売上は同167%増と急増しました。BigPayをairasiaムーブに統合し、より幅広い顧客層にアクセスできるようにすることで、売上高を増加させ、サービス提供の幅を広げることに努めました。